おれはなにわのライオンや
-動物園がからっぽになった日- 作 さねとうあきら (文渓堂刊・同名絵本より) 演出 杉本孝司 |
あらすじ ある町に動物園がありました。 太平洋戦争が始まると日本軍は勝ちまくり動物園のゾウやキリンまで、勝利の大パレードに加わって町中お祭り騒ぎでした。 西洋っぽい名前はよくないと、ライオンのヘンリーは『大和』と勇ましい日本名をもらいました。 南方戦線からマレーグマの『ベンガル』もきたし中国生まれで日本軍に飼われていたヒョウの『八紘』もきてアジアの獣が勢ぞろい! ライオンはそれらをしたがえて、アジアの王様気分でした。 飼育係の堀江さんにも赤紙がきて出征すると代わりにやってきたのが大阪のサーカス団で生まれたヘンリーの育ての親玄さんでした。 なつかしい関西弁がはずむとなにわのライオンだった昔がよみがえって大和のたてがみもピンとのびたみたいです。 ところが半年経ち一年経つうちに日本は負け戦となり 恐ろしい食糧難がやってきました。 餌不足のライオンは空き腹をかかえ牙をコチコチならしていましたがその目に映ったのは、ひそかに猛獣の檻をうかがう怪しい人影でした…。 |